淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

伊勢神宮のネズミさん

新型コロナウイルス感染拡大による医療崩壊の懸念から、世界中でStay home!と叫ばれているのに、日本では現時点でまだ緊急事態が宣言されていない。何故かしら。

今の東京は2週間前のニューヨーク、などと言われると心底怖い。「武漢に10日で病院を建設」というニュース映像を見て、半信半疑だったのが2月のことで、その頃アメリカは完全に対岸の火事。株式市場は爆上げしていたのに。それから僅か2ヶ月足らずで、セントラルパークに野戦病院を建設中だなんて、恐ろしい。

自分が、家族が陽性になったら、家庭内感染防止にどれだけ神経をすり減らすことになるのだろう。嗅覚味覚異常ですらきっと気が滅入るだろうし、重症化なんてことになったら、満床で入院を断られたら、などと色々悪いことばかり考えて苦しい。

3月初旬は早く帰宅していた夫だが、いつの間にか残業モードに戻っている。1日だけテレワークした以外は満員電車で毎日通勤しているし、不可避な出張に出掛けることもあり、とても心配している。

臨時休校に入った娘は、相変わらず反抗期を拗らせたまま不遜な態度を取り続けたものだから、一時期母娘の関係がかなり悪化したものの、夫が「もういい加減反抗期は卒業したらどうや、これ以上そんな態度を取り続けたら、もはや反抗期とは言わん、単に変な人になってしまうで」と娘を諭してくれたのを機に、娘はようやく長いトンネルから抜け出す気になってくれた。

この1ヶ月で登校したのは終業式の日のみ。塾(文科省ではなく経産省の管轄下)の春期講習は何事もなかったかのように開催されているが、3密の懸念から、娘には教室ではなく自宅で映像授業を受けさせている。狭くて密閉された空間に受講生達が並んで座り、数時間にわたり講師が大声で熱い講義を展開するのはどう考えてもリスクが。神経質で心配性な親と思われても、今は通わせる気にならない。

高齢の両親や夫の父、そして離れて暮らす息子にも暫く会えていないし、次に会うのはいつになるのかしら。

今年の干支はネズミ。近鉄沿線に住む友達が、伊勢神宮初詣きっぷを購入すると交換できるという干支置物を毎年集めていて、1月に会った際に1つ分けてくれた。伊勢神宮の縁起物のネズミさんを我が家に迎え、今年はきっと良い年になる!と信じているので、ネズミさんのパワーでなんとかこの難局を健康に乗り切りたい。

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ヨコハマヒザクラ

この週末は、不要不急の外出自粛を完全実施して、一歩も外に出なかった。

朝ドラ「スカーレット」は最終回。このコロナで不安な状況で死に向かう武志を見るのがしんどくて、ドラマのご都合主義でいいから骨髄移植ドナー適合者が見つかって!七人いるはずの八さんの兄姉とか!と願っていた。武志が亡くなったのは、丁度息子と同じ年の頃。子が親よりも先に死ぬのは辛すぎるな~。CMで武志演じる伊藤健太郎の元気な姿を見ると、お元気そうで何より!とホッとする。

大人の私だって平常心を保つのが精一杯な毎日なので、娘はもっと不安を感じているはず。暗いニュースばかりで、ともすると悲観の泥沼に落ちそうなので、せめて毎回の食事はできるだけ丁寧に癒しの時間になるように心がけている。夫や娘にも調理や後片付けに参加してもらって、家事スキルを上げるよい機会と捉えたい。

少し前に娘と散歩中に見つけたヨコハマヒザクラ。くっきり鮮やかな濃いピンクの花が美しかった。三渓園本牧の桜も今頃綺麗なんだろうな、と思うが、来年のお楽しみだ。

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ポケトル

これは悪い夢だよね?悪い夢であってほしい!と念じながら毎朝起床時にスマホをチェックし、辛い現実に打ちのめされる。コロナ前の生活に戻りたい。

不安なのは世界中みんな一緒。悪いニュースばかりだが、なるべくネガティブな思考に陥らないように、と自分を励ましているが、この国は大丈夫なのかしら、と日々怒ったり呆れたりしている。

奇抜な緊急経済対策案が報じられる度に失笑。フェイクニュースなので、まともに反応してはいけないのかも。和牛券とかお魚券とか。

決定的なのが首相夫人。性格が抜群に善くてピュアで浮世離れしたスーパーお嬢様育ちが知り合いに二人位いるので、これまでは、まあ、なんとなくあんな感じなのだろうな、と折り合いをつけていたのだが、今回の「レストラン敷地内の桜の木の下で大勢と記念写真」で私の許容範囲を超えてしまった。自分の言動が発端で自死した方がいること、そのご家族の悲しみなんてまったく理解できないし、ただのcovidiotだった。あるいは、閉塞感でいっぱいの中、国民のガス抜きのためにあえて悪役を買ってでたのかもだが。

最近買ってよかったのは、ポケトルという180ml入りのステンレス製の水筒。スリムで軽い。マグカップ丁度一杯分。出来るだけ醒めないように、夫が家を出る直前にコーヒーをステンレスのピッチャーに抽出し、ボトルに移して手渡している。娘の通塾用にも追加購入。

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日曜日に臨港パークに出掛けたら、予想通り賑わっていた。外の空気を吸ってリフレッシュしつつやり過ごすしかない。通りすがりに見つけた早咲きの桜。

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明日から2週間の予定で欧州の友達が来日することになっていたが、5日前にようやくキャンセルが決まった。一番の目的は桜を見ることで、暖冬で開花は早そうだから来るなら3月中旬からかな、大相撲を観戦するなら関空から入った方がいいかも、などと今年に入ってから頻繁にメールのやり取りをしていたのだ。

やがて日本において新型コロナウイルスの影響が大きくなり、残念だけど今回の旅行は延期した方がいい、観光以前に日常生活を楽しめる状況ではないし、日本に入国できても帰国時にややこしいことになる可能性だってあるのよ、と伝えたのだが、日本よりずっと衛生状態の悪い国にも行ったことがあるし大丈夫!桜を見たい!桜!と頑迷なくらい前向きな彼女。

来るからにはできる限りサポートするけれど、万が一滞在中に彼女やその家族が発症なんてことになったら大変だな~、と内心困りきっていた。とりあえずマスクとエタノールを事前にホテルに送っておかないと。マスクなしでウロウロしたら、今の日本では白い目で見られる。が、マスクとエタノールは依然入手できない状況が続いている。

先週になり欧州の状況が激変。自国での感染者数も急増し、非常事態が宣言がされ、彼女もとうとう断念することに。ほどなくフライト自体もキャンセルとなり、航空券の払い戻しも無事に出来たと聞きホッとしている。

日本の桜はとても人気があるようで、アメリカ在住の方からも観光の相談を受けていたのだが、こちらも当然中止になった。今年は満開の桜を静かに愛でつつ、また自由に旅行できる日を待ちたい。

 

 

アニバーサリー

一ヶ月前のバレンタインの頃は、新型コロナウイルスの懸念はまだそれほど深刻なものではなくて、割と平和だった。

友チョコ」を50人以上と交換する予定だと言う期末テスト目前の娘に代わって、前日にチョコチップクッキーを120枚焼いた。一週間前に試作したら、「まあ、私はこういう健康的な味に慣れているから美味しいと思うけどね、万人受けはしない」と娘にはっきりダメ出しされたため、全粒粉と薄力粉の比率を大幅に見直して、甜菜糖をグラニュー糖に変更した。

バレンタインデー当日は、ヘアサロン施術後に実家に立ち寄り、チョコチップクッキーとカード、マスクとエタノール消毒液を差し入れた。

そして毎度のことながら、帰りに母からあれこれお土産を持たされた。干し芋やら煮物やら饂飩やら鮭やら近所のお惣菜屋さんのイカフライやら。イカフライ。

いつもは黙ってなんでも頂戴して帰るのだが、イカフライ。「今日は一応結婚記念日なので夕飯にビーフシチューを準備しているのよ、イカフライは要らないわ」と思わず母に言ってしまったら、「ああ、そうだったわね、忘れていたわ、ごめんなさい、でも明日温めて食べてね」と抵抗虚しく強引に持たされた。

と、そんな話を夕飯の仕上げをしながら夫に話したら、「ごめんなさい!!」と。夫もその日が結婚記念日であることを忘れていたのだ。

帰宅してから冷蔵庫に何かをしまっていたので、デザートにケーキでも買ってきてくれたのかしら?と思っていたのだが、通りすがりの駅の構内で買い求めたヒロタのシュークリームなのだと言う。久々に食べたいな、と買ったもので、ああ、花を買うべきだった、とかなんとか。

一月場所の国技館千代の富士の錦絵を買った時に、これでお互いにサプライズ的な結婚記念日のプレゼントはなしにしようね、と話していたのだが、当日は乾杯用ワインとカードを私は用意していた。普段より少しお洒落なテーブルセッティングに夫が驚き、落ち込み、なんだか気まずい夕飯に。

後日、謝罪と共にカードとシャンパンとアクセサリーが贈られたのだが、来年はいったいどんな結婚記念日になるのだろう。

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ヨーグルトメーカー

新型コロナウイルス感染拡大による影響の甚大さに慄いている。精神の安定を保つために、あまりテレビを見ないようにしている。悲観や悲鳴や批判や文句や攻撃からできるだけ離れて暮らしたいのだ。

何かと批判が多い臨時休校措置だが、娘が家にいることで私はホッとしている。普段は「隕石落ちて学校休みにならないかな~!暴風警報来て~!」とひとしきり騒いでから登校する娘は、このご時世であからさまに喜ぶのは不謹慎と思うのか、「学校に行きたいな!つまらない!」などと不満を装っているが、本を読んだりお菓子を作ったり、念願の引きこもり生活を満喫しているようだ。友達と顔を合わせなくてもスマホで繋がっているので、あまり退屈していないのでは。塾も映像授業配信となった。

夫はこのところ毎晩8時には帰宅している。当面の出張や会食の予定がすべてキャンセルになり、早い時間に一緒に夕飯を食べることができて嬉しい。新型コロナの影響が長引けば夫の会社もダメージを受け、来年、再来年の業績連動型賞与は大打撃だろうな~。でも仕事やお金や勉強は大事だけれど、健康はもっともっと大事。家族が健康であれば、多少のことはよいことにしたい。

今回の騒動を機に、夫と私は通っていた近所のスポーツジムを退会した。家族共有のタオルを廃止し、歯磨き粉は家族それぞれのものを用意。洗面所のコップは小さな紙コップを使い捨てに。

免疫力アップを目指して、毎晩食べているヨーグルトを最近R1にアップグレード。ヨーグルトメーカーを購入して、一日置きに培養を開始。1リットルの牛乳パック(電子レンジ600Wで2分、ひっくり返して1分加熱)にR1ドリンクタイプを半量投入、消毒したダブルクリップで止め、ガシガシとしっかり振ったのちにヨーグルトメーカーに43度9時間セット。最初は混ぜ方が足りず、飲むヨーグルトになってしまったが、固いヨーグルトが出来ると毎回感激する。ホワイトチアシード、プルーン、オリゴ糖と共に。とても美味しい。

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パラサイト 半地下の家族

自虐的な日本悲観論や、反対するのが目的の政権批判にはうんざりするけれど、今回の日本政府の新型コロナウィルスの対応には困惑の連続で、控えめに言ってかなり失望している。さすがに「世界が称賛する日本」的論調も下火になるのでは。

クルーズ船のゲストとクルーの立ち位置が最後まではっきり区別されていたことに驚いた。大黒ふ頭で検疫下に入った段階で、3,700人は等しく対応されるべきだったのでは。ゲストが上陸するまで最高のホスピタリティを提供することが、クルーズ船の運営会社の方針だったのかもだが、クルーの皆さんは快適とは言い難い相部屋で寝食を共にしつつ、感染リスクに怯えながら2週間の残業を強いられていたのかしら。

格差といえば、閉鎖された空間で大勢と一定時間過ごすのはどうかとも思ったのだが、先週映画「パラサイト 半地下の家族」を観に行った。

韓国の格差社会を題材にしていて、上流であれ下流であれ悪人は一人も登場しない。むしろみんな善い人。しかも能力に劣っているから下流というわけではない。でも世の中は理不尽で、歴然たる格差が存在するのだ。最後まで緊張感を強いられ。非常に疲れる映画だった。

観終わった直後は、カンヌのパルムドールはわかるけれどアカデミー賞作品賞は意外だね、と夫と話していたのだが、なんやかんや一週間位はこの映画のことを振り返っていた。他のノミネート作品に比べ製作費は格段に少なかったに違いないが、脚本もキャスティング(セレブ妻を演じたチョ・ヨジョンが可愛い!)もセットも素晴らしかったし、音楽も効果的。においが伝わるような生々しさがあり、息苦しくなったけれど、心に残る作品だった。

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