淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

パラサイト 半地下の家族

自虐的な日本悲観論や、反対するのが目的の政権批判にはうんざりするけれど、今回の日本政府の新型コロナウィルスの対応には困惑の連続で、控えめに言ってかなり失望している。さすがに「世界が称賛する日本」的論調も下火になるのでは。

クルーズ船のゲストとクルーの立ち位置が最後まではっきり区別されていたことに驚いた。大黒ふ頭で検疫下に入った段階で、3,700人は等しく対応されるべきだったのでは。ゲストが上陸するまで最高のホスピタリティを提供することが、クルーズ船の運営会社の方針だったのかもだが、クルーの皆さんは快適とは言い難い相部屋で寝食を共にしつつ、感染リスクに怯えながら2週間の残業を強いられていたのかしら。

格差といえば、閉鎖された空間で大勢と一定時間過ごすのはどうかとも思ったのだが、先週映画「パラサイト 半地下の家族」を観に行った。

韓国の格差社会を題材にしていて、上流であれ下流であれ悪人は一人も登場しない。むしろみんな善い人。しかも能力に劣っているから下流というわけではない。でも世の中は理不尽で、歴然たる格差が存在するのだ。最後まで緊張感を強いられ。非常に疲れる映画だった。

観終わった直後は、カンヌのパルムドールはわかるけれどアカデミー賞作品賞は意外だね、と夫と話していたのだが、なんやかんや一週間位はこの映画のことを振り返っていた。他のノミネート作品に比べ製作費は格段に少なかったに違いないが、脚本もキャスティング(セレブ妻を演じたチョ・ヨジョンが可愛い!)もセットも素晴らしかったし、音楽も効果的。においが伝わるような生々しさがあり、息苦しくなったけれど、心に残る作品だった。

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