淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

女帝小池百合子

4月から大桟橋にずっと停泊したままの飛鳥II。毎晩綺麗にライトアップされている姿を見るにつけ、乗組員の方がいらっしゃるのか、それとも夜間は自動的に点灯する仕様なのか、と考えていたのだが、昨日の日中火災。もくもく黒煙をあげている様子になんとも悲しくなった。

新港ふ頭にはにっぽん丸が停泊中。周辺の水面ではボラがあちこちで元気に飛び跳ねていて、時間が許す限りずっと見ていたい景色。

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石井妙子著「女帝小池百合子」読了。あまりの衝撃に、あっという間に読み終えてしまった。サイコホラーなノンフィクション。百合子という、実在の人物とは思えないくらいの素材もさることながら、著者の丁寧な仕事が圧巻。さすがの百合子も弁明の余地がないのでは。あと、意外だったのが、前東京都知事が百合子の元カレだったこと。

やたらご丁寧なお言葉遣いと横文字連発で、難関カイロ大学を首席で卒業した裕福な芦屋の令嬢、というイメージが崩れ去った今、次の都知事選には出馬しないのでは、と思ったが、お出になるんだな~。

以前百合子の学歴詐称に疑問を呈する記事を読んで、ああ、これはガチだな、と信じるに至ったのは、その記事が作家の黒木亮氏によるものだったから。

黒木氏は北海道の田舎に生まれ育ち、文武両道、血のにじむような努力を重ね、早稲田大学を代表して箱根駅伝に出場、その後銀行員を経て数々の経済小説を執筆されている。努力の天才で、几帳面な記録魔で、膨大な資料を読み解き、論理的で実直な方だということは、「冬の喝采」「巨大投資銀行」等の作品を読めばすぐにわかる。

その彼が三和銀行時代にカイロ・アメリカン大学に留学していたことは、百合子にとって(数多ある)大きな誤算の一つだったに違いない。

それにしても、自分も含め、世間の健忘ぶりには呆れるばかりだ。はいはい、そういえばあんなこともあった、こんなこともあった、と「女帝小池百合子」を読み進めていくうちに思い出すことが沢山あった。改めて活字で読むと、彼女の話してきたことの薄っぺらさに眩暈がするが、あの美声と自信たっぷりな立ち振る舞いに、いとも簡単に騙されてきた。そして次の選挙でも大勝するんだろうな~。恐ろしい。