淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

サンクスギビング・ママ

若乃花がプロデュースしたChanko Dining若が経営破綻。5年くらい前に六本木本店で食事をしたことがあるが、ちゃんこ屋とは思えないくらいバブリーで煌びやかなハコ、アテンティブな接客、そして何よりもすごく美味しかった思い出が。塩ちゃんこも勿論美味しかったが一品料理が当時流行の創作料理って感じでヘルシー、そして繊細な盛り付け。

知人が自信満々でここを予約した時は、「松田聖子のフローレンスセイコみたいなタレントショップでしょ(あれは雑貨屋か)」と小バカにしていたが、さすが花田家長男、きっと小さい頃から美味しいものを食べてきたってわけね、と妙に納得。

まあね、でも、不景気だし。

佐々木譲の短編集「サンクスギビング・ママ」を読了。

昨年夏に夫が買ってきたものの放置していたのを私が拾い上げ、半身浴のお供にしていた。今年始めにベテラン作家が直木賞受賞のニュースを見て、もしや、と思ったら作者だった。警察小説等の長編を書く一方で、こういった短編にも取り組んでいるらしく、あとがきに長編向きと短編向きの環境違いについて触れていた。短編をよく書いていた時期というのは、よく旅行をした時期らしい。この短編集は1990年に7週間ほどアメリカ西海岸と中西部を一人でドライブ旅行した時に移動しながら書き留めたものが中心だが、特に旅行中の気負いのようなものは感じないし、片岡義男っぽくはない。さらさらっと読めてしまうので、半身浴や旅行先に打ってつけの軽い読み物。

残念なのは、そんな話し方する人は日本中探したっていないんじゃないか、ってくらい癇に障る妙な登場人物(女性)が一人か二人いたこと。なんとなくだけれど、作者の身の回りに若い女性がいないような気が。編集者も読者も男性ばかり、という印象だわ。