淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

軽いめまい

この時期としては珍しく朝から富士山がくっきり。肉眼で見たところまったく雪がなさそう。

金井美恵子先生の「軽いめまい」を読了。どこの書店を探しても置いていなくてアマゾンで中古本を買った。付録付きムック本より金井先生の御著書をばんばん増刷して下さらないと!娘は美顔ローラー付きムック本に興味津々で欲しくてたまらない様子だが。

とりたててドラマチックな物語ではなく30代専業主婦の日常が綴られている。

・・・ちゃんとやろうと思えばやることの種に事欠くことのない家事全般の、ことに掃除というか、室内のメンテナンスというのか整理整頓も、引っ越して一年くらいの間は、メンテナンスと改装の整ったきれいな状態を保つべく努力するというより、それが結構楽しくて熱心にやってはいたのだったが、当然、そういうことにはすぐあきてしまい、掃除は手抜きになったとは言っても、それでも、毎日毎日、やらなければならない単調な家事は、オーヴァーな言い方ではなく、それこそ、やってもやってもいつ果てるとも知れない繰り返しのシジフォスの労働めいていて、それに少しの変化が生じるのが、いわゆる<家庭の行事>というわけで、これがまた、結構いそいそと準備しちゃったりするのが楽しかったりして、かえって後で腹が立つのよね、・・・。

わかります!そして相変わらず一文が長い!

ラスト数ページ、小田急線車内の描写からスーパーマーケットの陳列棚の様子に至っては、ひいいいっ!という感じでまさに軽いめまい。

久々に女友達(主人公以外は仕事を持っている)と会って盛り上がらなかった場面では、ああ、そう言えば4月に久々に大学時代の女友達(私以外は仕事を持っている)と会って、なんとなく盛り上がらないまま早々にお開きになった中途半端な昼食会のことを思い出した。

やたら同窓会開催に熱心な友達がいて、ネズミ講絡みなのか戦々恐々としていたのだが、どうやら一人息子が名門私立男子校に入ったのをきっかけに、その名門私立男子校のお母様方達と頻繁に昼食会を催しているらしく、そこで身に着けた幹事能力を披露がてら名門私立男子校ゆえのお悩みを吐露、という趣旨で、どう考えても居酒屋で生ビールかなんとかサワーでしょ、というメンツなのに、中途半端なイタリアンレストランの個室で、しかも事前にサクラとかいう甘ったるいロゼのスパークリングワインと、同じく甘ったるい赤のサングリアをボトルで注文という念の入れようで、「本当はみんなに是非ラデュレのマカロンを食べてもらいたかったんだけど日持ちしないからマドレーヌにしたわ」と接待でもないのに人数分の「お土産」を用意(食事代に加算)、さくっとコースランチを食べ終わると同時にお開きとなり現地解散。

それでも私を除く5人は皆地方の県立進学校を卒業後親元離れ大学生活を送り、結婚し、学業優秀そうな子供を一人か二人産み、持ち家があり、新卒で入った誰もが知っているような会社もしくは公務員として今でも働き続け、しかもお化粧したりきちんとした格好をしている分だけ学生時代より垢抜けキレイになっていて、老後に何の不安もなさそうで、コツコツ努力家さん達には敵わないなあ、となんだか圧倒され、立ち直るのに暫く時間がかかったのだった。