淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

走ることについて語るときに僕の語ること

貸していたThe Power StationのCD w/DVDが2年ぶりくらいで手元に戻ってきて嬉しい!!夏になると聴きたくなる。

作家(そしてランナー)村上春樹氏の「走ることについて語るときに僕の語ること」を読了。英語的なタイトル。
写真撮影は妻陽子ではない。もう撮らないのかな。

冒頭数十ページを読んで柄にもなく走りたくてたまらなくなったが(春樹の小説読んでビールを飲みたくてたまらなくなるように)、読み進めるにつれて自分が精神的にも肉体的にもランナー向きではないことがよくわかった。

2005年夏から2006年秋にかけて春樹が走りながら考えたことが書かれていて、丁度私が春樹の故郷神戸に住んでいて、娘を出産した前後なので、その頃の自分と神戸の風景が懐かしく蘇る。

ラソン発祥の地、アテネからマラトンまでの道のり、マラソン、100キロウルトラマラソン(そんな競技があったとは)、トライアスロンに挑む時アスリートの心理的状況という、怠け者の私には想像も出来ない世界を垣間見ることが出来た。きっとランナーならすごく共感できる部分や、これまでぼんやり感じていたことを春樹がぴったり表現してくれて「ああそうか」と膝を打つ箇所が沢山ありそう。

とにかく春樹すごいなあ、の一言に尽きる。ひれ伏しました。self-disciplinedという言葉は彼のためにあるのではないかしら。まさに走るself-disciplinedだわ。書く才能を与えられ、選ばれた春樹が書くため走る。
走り続けて書き続けて欲しいな。もっともっと読みたいもの。読み手としても真摯に作品と向き合わなきゃだな。

読了後いつもなら夫に回すのだが今回は息子に先に渡した。「エジソン」や「キュリー夫人」のような伝記・偉人伝として。