淡々と

行動範囲が狭い主婦の静かな日々のあれこれ。家族のしあわせ、シンプルライフ。

ハゲタカ

映画「ハゲタカ」を観た。ドラマが面白かったし世間様の評判が割とよい映画だったので期待していたのだけれど、マンダリンオリエンタルホテルは美しかったが、うーん、ちょっと、どうなんだこれ、荒唐無稽というか演出過多というか残念な仕上がり。我が家ではいっそエンターテイメントに徹したROOKIESの方が楽しめた。

だいたい冒頭で鷲津さんがビーチで飲んでいるのはブランデーですか。リゾートホテルのビーチでですよ。水着のおねーちゃん達が波打ち際で戯れているような照り照りの場所でブランデーとは。ブランデーってこうグラスを包むように持って温め、香り立つアロマを楽しみながら嗜むものじゃないんですか。暑苦しい!とまあ、最初からそんな感じ。リアリティがないっていうか。全体を通して音楽の音量も大きかったわね。

旅館のオヤジの松田兄が猫抱えてブラブラしている場面が一番好きだった。にしたって「鷲津さん、ドバイに行ってたんですね」って久々の鷲津さんとの再会で挨拶して、後からああそうかスタンリーブラザーズのエグゼクティブと未だに懇意ってことの伏線ですか、無理やり感、あたりは許せるにしても、最後中国系ファンドとスタンリーブラザーズの橋渡しの口利きをして、そんな超コンフィデンシャルな会談の場にいまや一介の旅館のオヤジの松田兄が立ち会って調印文書を配布して回ったりしてどんなキャパシティーであなたはそこにいるの。

ドバイに飛んだ鷲津さんは同僚の白人女性を伴って王族?に会っているが、ドバイの政府系ファンドは女性とは取引しないでしょう、超男社会なんですから。オルトXだかって私募債?の約款みたわけではないから何とも言えないが、鷲津さん夕方5時前にスタンリーブラザーズのセールスに電話して「解約ね」の一言で即刻リクイデート出来るのかしらね。

でもって最終的には鷲津さん、スケールでか過ぎ。スタンリーブラザーズを即座に破綻させ(え、ストップ安は?)世界を激震させたいわゆるリーマンショックを引き起こし、中国にもアメリカにも喧嘩売っちゃったんだ、ひえー。

ドバイって確かリーマンショックで深刻な打撃を被ったんじゃなかったっけ。世相を反映させたかったのか派遣切り問題やら報道の自由と圧力まで言及しちゃって、野心的というよりなんかごった煮的な。

でも映画「ハゲタカ」は世間様の評判よかったみたいだし続編はあるわね。たぶんあのリュウさんに貰った400万円を元手に投資したのか、最後パリッとスポーツカー乗り回していた元派遣工さんを再登場させて。元派遣工から新たなファンドマネジャーに転身とか?でも鷲津さんにしても、素性が怪しい中国出身のリュウさんにしても、実力だけでのし上がってバリバリのファンドマネジャーにって設定だけれど、投資銀行ほど学歴社会なところはないような。昔々はそういう方もちらほらいたかもですが今はね絶対に無理。

そもそも「日本を代表する」アカマ自動車を中国政府系ファンドが狙ってきたら、日本政府・経産省が許さないのでは、と思ったが、最近ラオックスだのレナウンだの次々に中国資本の傘下に収められているからなあ。

息子が通う高校には定時制が併設されている。保護者会の帰り駅に向かう道すがら定時制の登校時間と重なったのだが、中国語で楽しげにお喋りする中国人と思わしき若い男女のグループに沢山すれ違った。定時制って昼間は働き夜勉強する苦学生、もしくは全日制に合格できず、マジたりーけどとりあえず高校くらい出とかないとな、ってちょい悪系が集まるイメージだったが、今は日本人より中国の健全な若者の勉強の場になりつつあるのかしらね。恐るべし、中国パワー。