ホテルデスク

JR宝塚線脱線事故から15年。神戸に転居して間もなくの頃で、ノートPCやモデムや電話やプリンターを置くために、アクタスで購入したホテルデスクと呼ばれる細長い木製家具を搬入してもらった日だった。

「兵庫県で大きな事故よ！テレビを見て！」と母から電話を貰って震えた。夫が朝いちで立ち寄ると言っていた場所は、まさにその沿線なのでは。まだ土地勘がなかったため、作業中の方に確認したら、そうだと言う。幸いなことに夫は数本違いで難を逃れたが、決して他人事とは思えない事故だった。

あれから我が家の無線化が進み、ノートPCを使う時はダイニングテーブルで、必要な時にコンビニを利用すればいいよね、とプリンターは処分してしまい、ホテルデスクは予備のダイニングチェアーと共に寝室の片隅に追いやられていたが、新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークで復権。夫が今フル活用している。断捨離しないでよかった！

平日はいつも通り6時半に朝食、8時過ぎには夫が仕事を開始するので、それまでに寝室を掃除してコーヒーをステンレスマグに準備。ひっきりなしに電話会議している様子なので、物音控えめに家事をこなして、12時に昼食が完成するよう調理。食後すぐに仕事を再開する夫のために再びステンレスマグにコーヒーを準備し、なんやかんや毎日終業時刻を超過。通勤がない分、体力的には楽だけど、気持ちの切り替えがうまくできない感じだ。

この状態が永遠に続くわけではないことはわかっているし、ある日を境に急に元の生活に戻ることはないこともわかっているし、大好きな家族がそばにいることや現時点で差し迫った経済的不安があるわけではないことを有難く思っているものの、自粛生活に入って2か月、疲れたな。